MENU

イギリス料理はなぜまずい?5つの歴史的理由と現在のリアルな食事事情

「イギリス料理ってまずいんでしょ?」

私も以前は、そんなステレオタイプを信じていました。けれど、実際に調べてみると、その背景には深い歴史的な理由があったんです。そして驚くべきことに、現代のイギリスの食事事情は、私たちが思っているのとは全く違うものに変わってきているんですよ。

目次

Table of Contents

イギリス料理はなぜまずいと言われるのか?世界中で語られる「食のステレオタイプ」

イギリス料理に対する「まずい」という評価は、もはや世界共通の認識になっていますよね。私が最初にこのジョークを聞いたとき、正直ちょっと笑ってしまいました。

イングリッシュ・ブレックファーストだけが評価される?ジョークの背景と実情

世界中で有名なジョークがあります。「最高の人生とは、アメリカ人の給料をもらい、イギリス人の家に住み、日本人の嫁を娶り、中国人のコックを雇うこと。最悪の人生とは、中国人の給料をもらい、日本人の家に住み、アメリカ人の嫁を娶り、イギリス人のコックを雇うこと」というものです。

私はこのジョークを知ったとき、まず「そこまで言われるのか」と驚きました。でも、「イギリスで食えるものは、イングリッシュ・ブレックファーストくらい」という言葉も、よく耳にしますよね。

確かに、目玉焼き、ソーセージ、ベーコン、焼きトマト、マッシュルーム、そしてベイクドビーンズが並んだイングリッシュ・ブレックファーストは、見た目にもボリュームがあって美味しそうです。でも実際に食べてみると、多くの人が「あれ?」と感じるんだそうです。

イギリス料理の特徴|「味がない」と評されがちな理由と調味料の文化

私が一番驚いたのは、イギリス料理が「まずい」のではなく、実は「味がない」というのが正確な表現だということです。これには文化的な背景があるんですよ。

イギリスには、「料理人が塩で味を決めるのではなく、食べる人が自分の好みで味付けをする」という独特の食習慣があると考えられます。だから、レストランのテーブルには塩や胡椒、各種ソースが置いてあるんですね。

私はこれを知って、「なるほど!」と思いました。多様性を重んじる文化が、料理にも表れているわけです。でも、困ったことに、現代のレストランではテーブルに塩が置いてないことも多いんだそうです。そうすると、単に「味のない料理」になってしまうんですよね。

素材の味を重視した「茹でる・焼く」中心のシンプルな調理法とは

イギリス料理のもう一つの特徴は、調理法が極めてシンプルであることです。複雑なソースを作ったり、何時間も煮込んだりするような手の込んだ調理は、あまり見られません。

肉を焼く、野菜を茹でる、魚を揚げる。基本的にはこれだけなんです。私は最初、「素材の味を活かすシンプル調理って、日本料理みたいで良いじゃないか」と思いました。でも、問題は味付けがほとんどされていないことなんですよね。

日本料理も確かにシンプルですが、出汁や醤油、味噌など、繊細な味付けがあります。一方、イギリス料理は本当に「ただ火を通しただけ」という印象を受けるものが多いようです。

イギリス料理が「まずい」とみなされるようになった5つの歴史的要因

では、なぜイギリス料理はこのような状態になってしまったのでしょうか。実は、歴史的に見ると、いくつかの明確な理由があるんです。私はこれを知って、「なるほど、そういう背景があったのか」と深く納得しました。

要因①:ジェントルマン階級の質素志向と「食に無関心」な価値観

17世紀のピューリタン革命以降、イギリス社会を支配したのは「ジェントルマン」と呼ばれる階級でした。彼らは服装やマナー、生き方全般において、独自の価値観を確立していったんです。

驚くべきことに、彼らは「ジェントルマンは暴飲暴食をせず、質素な食事を好むべきだ」という価値観を持っていました。品数は少なく、肉を焼いたものをただ食べるだけ。たまにスープが出る程度だったそうです。

私はこれを読んで、「なんてもったいない!」と思いました。権力と財力を持つ支配階級が、400年近くも食事にほとんど興味を持たなかったというのは、料理文化の発展にとって致命的だったと考えられます。

要因②:産業革命による急激な都市化と、家庭料理・伝統料理の断絶

18世紀後半に始まった産業革命は、イギリス社会を根本から変えました。17世紀には人口の3/4が農村に住んでいたのに、産業革命後わずか100年で、3/4が都市に住むようになったんです。

都市部では就業機会が増え、農村から多くの人が流入しました。それまで自給自足で野菜や乳製品を食べられていた人々が、都市では市場で食材を買わなければならなくなったんですね。

私が特に切なく感じたのは、この過程で伝統的な家庭料理の文化が断絶してしまったということです。工場での過酷な労働と都市の衛生問題の中で、手の込んだ料理を作る余裕はなくなっていきました。火を通すだけのシンプルな食事が主流になったのは、必然だったのかもしれません。

要因③:フランス文化の影響を避けたことで生じた料理面での立ち遅れ

中世から長い間、イギリス貴族はフランスの料理人を雇い、フランス文化に憧れを持っていました。独自のイギリス料理を発展させる機会は、実はあったんです。

ところが、フランス革命からナポレオン戦争にかけて、フランスはイギリスの敵国となりました。すると、フランス料理やフランス風のマナーは排除され、イギリス独自の食文化を確立しようという動きが起きたんです。

私はこの部分を読んで、なんだか複雑な気持ちになりました。フランスでは食卓で楽しく会話しながら食事をするのがマナーですが、イギリスはその逆を取ったんです。つまり、「会話は少なければ少ないほど良い」というマナーになったんですね。

あるスイス人がイギリスで食事に招かれた際、「12人の男がタバコをくゆらせていたが、会話はとぎれがちで、ハエの羽音さえ聞こえた」と記録しています。なんとも陰鬱な食卓ですよね。

要因④:冷涼な気候と土壌条件による食材の種類の乏しさ

イギリスはかつて氷河に覆われていた地域で、土壌中の腐植層が少なく、痩せた土地が多いんです。ジャガイモは育ちますが、野菜があまり育ちません。特に冬場の野菜不足は深刻だったと言われています。

18世紀頃のロンドンで手に入る野菜は、「グリーンピースなどの豆類、キャベツ、タマネギ、ネギ、二十日大根、レタス、アスパラガス、ほうれん草」程度だったそうです。日本の豊かな野菜文化に慣れた私たちからすると、かなり限られた種類ですよね。

曇り空が続く冬場はさらに野菜が不足し、田舎に行けばもっと選択肢が少なくなったと考えられます。これでは、多様な料理を発展させるのは難しかったでしょう。

要因⑤:サーヴァント制度など家事を外部化する仕組みによる「おふくろの味」の不在

イギリスには伝統的に「サーヴァント」と呼ばれる制度がありました。14歳前後になると、若者は実家を離れて他の家庭に住み込みで働き、そこで社会人としての訓練を受けるんです。

中流・上流階級のサーヴァントは家事労働者として、食事の支度も重要な仕事でした。でも考えてみてください。人生経験の少ない若者が作る料理が、美味しいはずがありませんよね。

私が特に「これは痛いな」と思ったのは、14歳という早い年齢で母親の元を離れるため、「おふくろの味」の継承が行われなかったという点です。日本では、母から娘へと受け継がれる家庭料理の伝統がありますよね。イギリスでは、この大切な文化の継承が断絶してしまったんです。

まずいのは過去の話?現在のリアルなイギリスの食事事情

ここまで読んで、「やっぱりイギリス料理はまずいんだ」と思われたかもしれません。でも、実は現代のイギリスの食事事情は、大きく変わってきているんですよ。

ロンドンはグルメ都市に変貌、多国籍料理やフュージョン料理の充実

最近のロンドンは、他のヨーロッパ諸都市にも劣らないグルメ都市に生まれ変わりつつあります。特に、中国、インド、ヨーロッパ各国からの移民が、自国の料理文化を持ち込んでいるんです。

私が興味深いと思ったのは、これらの移民が「自分と同じ移民向けに作ったレストラン」は、どれも美味しいということです。イギリス人向けにアレンジしてしまうと味が薄くなってしまうようですが、本格的な各国料理は本当に美味しいんだそうです。

また、ブリティッシュ・フュージョン・スタイルという、外国の料理を取り入れた新しいスタイルも人気を集めています。食通の舌を唸らせる品質の高いレストランも増えてきているんですよ。

パブ飯の進化|フィッシュ&チップスだけではない定番メニューの多様化

イギリス料理の代表格といえば、フィッシュ&チップスですよね。私も以前は「フィッシュ&チップスくらいしかないんでしょ?」と思っていました。

でも実は、現代のパブでは様々なメニューが楽しめるようになっています。シェパーズパイ(野菜やミートソースをジャガイモのパイで包んでオーブンで焼いたもの)、バンガーズ&マッシュ(ソーセージとマッシュポテト)、プラウマンズランチ(チーズやピクルス、パンの盛り合わせ)など、バラエティに富んでいるんです。

確かに味付けは相変わらずシンプルですが、素材の質が上がり、調理技術も向上しているそうです。

スーパーのレディ・ミール(惣菜・冷凍食品)のクオリティと共働き家庭の食卓

現代のイギリスでは、共働き家庭が増え、スーパーマーケットのレディ・ミール(調理済み食品)のクオリティが大幅に向上しているという話を聞きました。

日本でもコンビニやスーパーの惣菜のレベルは高いですが、イギリスでも同様の傾向があるようです。自分で一から料理を作らなくても、そこそこ美味しい食事が手軽に手に入る時代になったんですね。

私は、これも一つの文化的な進化だと思います。「手作り=美味しい」とは限りませんし、忙しい現代人にとって、質の高い調理済み食品は強い味方ですよね。

有名シェフの台頭とミシュラン星付きレストランの増加

驚くべきことに、ロンドンにはミシュランの星付きレストランが多数存在します。ジェイミー・オリバーやゴードン・ラムゼイといった有名シェフも、イギリス出身なんですよ。

ただし、美味しいレストランで食事をするには、それなりの予算が必要です。一人15,000円から20,000円程度は覚悟しなければならないようです。決して安くはありませんが、それだけの対価を払えば、世界レベルの美食を楽しめるということですね。

イギリスで美味しい食事を楽しむためのチェックポイント

では、実際にイギリスで食事をする際、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。私なりにポイントをまとめてみました。

味付けをテーブルの塩・胡椒・ソースで調整する食習慣

先ほども触れましたが、イギリス料理は基本的に味が薄いです。でもこれは、自分で調整するのが前提になっているからなんですね。

テーブルには塩、胡椒、各種ソースが用意されていることが多いので、遠慮なく使いましょう。フィッシュ&チップスには、モルトビネガー(イギリス特有の甘みとコクのあるお酢)をたっぷりかけるのが現地流だそうです。

私は「自分好みの味付けができるって、考えようによっては良いシステムかも」と思いました。日本でも、ラーメン屋さんでテーブルの調味料を使って自分好みにカスタマイズしますよね。それと似たようなものかもしれません。

失敗しにくい店選び|移民が多いエリアや客入り・雰囲気を見るコツ

レストラン選びで失敗しないコツは、移民が経営している本格的な各国料理店を選ぶことです。特に、その国の移民が多く住むエリアのレストランは、当たりが多いと言われています。

また、現地の人で賑わっているお店は、やはり美味しい可能性が高いです。観光客向けの店よりも、地元の人が通う店を探すのがポイントですね。

私も旅行するときは、いつもこの方法でお店を選んでいます。「地元の人が行く店に外れなし」というのは、世界共通の真理かもしれませんね。

サンデーローストやアフタヌーンティーなど「伝統の当たりメニュー」を狙う

イギリスには、「これは美味しい!」と評価される伝統メニューもあります。その代表格が、サンデーローストとアフタヌーンティーです。

サンデーローストは、日曜日に家族で食べる伝統的な料理で、ローストビーフやローストチキン、ヨークシャープディング、ローストポテトなどが一緒に出されます。イギリス人の肉料理の技術は伝統的に高く評価されているので、これは期待できるメニューです。

アフタヌーンティーは、スコーンやサンドイッチ、ケーキと紅茶を楽しむ優雅な時間です。スコーンにジャムとクロテッドクリームを添えていただくのは、まさにイギリスならではの体験ですよね。

私は、こうした伝統的なメニューに、その国の文化や歴史が凝縮されていると思います。イギリスを訪れる機会があれば、ぜひこれらを試してみたいですね。

イギリス料理に関するよくある質問

イギリス料理について、よく聞かれる質問をいくつかピックアップしてみました。

ウナギのゼリー寄せやスターゲイジー・パイは本当にまずいのか?

イギリスには、見た目が衝撃的な料理がいくつかあります。その代表が、ウナギのゼリー寄せとスターゲイジー・パイです。

ウナギのゼリー寄せは、ロンドンの労働者の間で食べられていた伝統料理です。茹でたウナギを冷やしてゼリー状に固めたもので、見た目は確かに茶色っぽくて食欲をそそりません。でも、ウナギ好きの人なら美味しく食べられるという意見もあります。

スターゲイジー・パイは、魚の頭がパイから突き出ているビジュアルインパクト抜群の料理です。「星を見上げるパイ」という名前の通り、魚が空を見上げているように見えるんですね。味自体は普通の魚のパイなので、見た目さえ気にしなければ美味しいそうです。

私は、こういう「見た目はアレだけど、実は美味しい」という料理、けっこう好きです。食文化の多様性を感じられて面白いですよね。

イギリスの家庭料理としてよく食べられているメニューは?

現代のイギリス家庭では、どんな料理が食べられているのでしょうか。実は、伝統的なイギリス料理だけでなく、様々な国の料理が日常的に食卓に並んでいるようです。

カレー(インド風)、パスタ(イタリア風)、炒め物(中華風)など、多国籍な料理が人気です。また、スーパーのレディ・ミールを利用する家庭も多いんですね。

伝統的なイギリス料理としては、シェパーズパイ、バンガーズ&マッシュ、フィッシュパイなどが家庭でもよく作られているそうです。いずれもシンプルな調理法で、素朴な味わいの料理です。

物価水準と「美味しい食事」を外食で楽しむ際の費用感

イギリス、特にロンドンの物価は非常に高いです。美味しい食事を外食で楽しもうと思うと、一人あたり15,000円から20,000円程度は必要だという話は、先ほども触れました。

イギリスの最低賃金は日本より高く、2026年現在では時給2,000円を超えています。それでも、美味しい食事にかかる費用とのギャップは大きいんですね。

私は、「美味しい食事」の価値観が国によって違うことを、改めて実感しました。日本では1,000円でも十分美味しい食事ができますが、イギリスではその何倍も出さないと満足できないかもしれません。

まとめ|イギリス料理は歴史と背景を知れば、評価も変わってくる

長々と書いてきましたが、イギリス料理について私が一番伝えたかったことは、「まずい」という単純な評価で片付けてしまうのはもったいない、ということです。

イギリス料理が現在のような状態になったのには、ジェントルマン階級の価値観、産業革命による社会変化、フランスとの対立、気候や土壌の条件、サーヴァント制度など、様々な歴史的・文化的な要因があったんです。

そして現代では、多国籍な移民の流入や、食文化への意識の変化によって、イギリスの食事事情は確実に改善されてきています。ロンドンは今や、世界有数のグルメ都市の一つと言っても過言ではありません。

私は、どの国の料理にも、その国なりの事情や背景があると思います。自分の物差しだけで「美味しい」「まずい」と判断するのではなく、その背景を理解しようとする姿勢が大切なんじゃないでしょうか。

「あなたの国のご飯、おいしくないよね」なんて、直接言われたら、誰だって悲しい気持ちになりますよね。でも、「あなたの国の料理には、こんな歴史があったんですね。面白いですね」と言われたら、きっと嬉しいはずです。

イギリス料理を通じて、私は食文化の多様性と、異文化理解の大切さを学びました。もしイギリスを訪れる機会があれば、ぜひ先入観を持たずに、様々な料理を試してみてください。意外な発見があるかもしれませんよ。

味付けが薄ければ、自分で調整すればいい。それもまた、イギリス流の楽しみ方なんです。歴史と背景を知った上で食べるイギリス料理は、きっとこれまでとは違って見えるはずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次